日本の文豪は神が自殺できないということに同情し
古代ギリシャの学者もまた神は自殺ができないとしている
自分もそう思っていた
が、その根拠はどこにあったのだろうか
かつて神があり
この世界を作った
そのあと、今は神は何をしているのか
今の世界が神の管理下にあるとは思えない
神自身が選民思想を持ち、救うべき人を選んでいるのなら納得できるが
なぜ神は現世の功徳の報酬を死後にしか用意しないのか
当然、生きている私たちは報酬が与えられているのか
その報酬が果たして適切なのかを判断できない
死後に報われると信じさせ、戒律に従わせることで
現存在たちの無秩序さを軽減しているだけではないのか
神の不在を悟られぬように
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神は全能であるとして
どうして自殺ができないのか
何を根拠に自殺ができないのか
神が不在に見える現在を
しかしながらかつて存在したはずとして考えると
自殺したというのもつじつまの合う考えではないだろうか
全能ならば死後、再び復活することもできるのかもしれないが