抜けるような青い空が広がっていた
昨日までの荒れた天気とは違う
いや、昨日は荒れていたというよりも
安定して雪が降り続けていた
そしてタイミングベルトの限界は近づいていた
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この一週間
生きた心地がしなかった
それはタイミングベルトが危ういと聞かされていたからだ
その真偽を見分けるすべはない
だってタイミングベルトを直接見ることは、僕にはできないから
星の王子様みたいだな、と彼は言った
僕は少し迷った末にアプリポワゼと呟いた、それに何の意味もないとしても
朝出勤時、雪道でタイミングベルトが切れないことを祈って道を行き
夜、解放感とともに家路をたどる
タイミングベルトのことはなるべく考えないようにする
いつ切れるか、不安だ
道の真ん中で立ち往生したり
なにかにぶつけたりすることを想像するだけで怖い
しかし、なにより面倒だ
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とても怖い
だが、これがベルトを交換してしまえば
何もないことへの感謝の気持ちなど忘れてしまうのだろう
やれ仕事が嫌だ
この世界の不備を探すことに執心してしまう
そんな自分が嫌だった
けれどベルトが切れて困るのは
困らせるのはもっと嫌だった
ただ、それだけの話