何であの時死ななかったんだろう
何であの事故で死ななかったんだろう
何であの山で死ななかったんだろう
とか何とか言って死にたくなかっただけなんだ
生に執着している自分に気が付く
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でも、なんかどうしようもなく一過性のものだよな
すぐに死にたくないっていう気持ちは薄れてしまう
消えてなくなりたいなと
ずっと脳内で反復し続ける日々が始まる
いや、ずっと続く
そもそも、一時的にも、あったあの気持ちは
本当に存在したのだろうか
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俺の体は本当に生きたがっているんだろうか
問いかけてみたら
いや、まあ、そういう仕事なんで
と返される気がする
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生まれてくるとき、皆に世話になる
死ぬときも、一人じゃいろいろ片付けられないだろう、それが嫌だ
いくら一人で生きたところで一人で死ぬのは実際不可能だ
いや、ターミネーター2みたいな死に方ができればいいな
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散々騙され続けたけれど
そうだね、俺の見通しが甘かったという言い方もできるね
でも信じたいと思ったんだ
本当にそれしかないから縋りたいと思った
それだけが希望だった
でも冷静に情報を吟味して判断したところでそれが間違いだったとしても
あんたは正論を振りかざすんだろう