俺は例えば、俺が大統領合衆国だとしたら、
たとえばの話だ。
たとえばミサイルのスイッチを押すことがあるかもしれないよな。
もちろんないにこしたことはない。
俺はミサイルを発射しようと思っていたんだ。もちろん比喩だ。
でも、俺は大統領じゃないからさ。
ミサイルを作るところから、材料の調達から色々やることがあるわけさ。
でさ、そこの準備はちゃんとやったんだ。
でも最後のスイッチが押せなかった。
馬鹿な話だ。
本当にね。
*
いや、本当は押したんだ、でもセキュリティが糞みたいにかかってて、かかっていることを想定してなくて、だから押せなかった。
押せるようになったのは、全部終わった1分後だった。
だからみんなも、ミサイルの準備だけじゃなくて、スイッチの点検もしておくべきだ。
俺はかなり死にたくなったぜ。
死ねないけどさ。
もう遅いんだ。なにもかも、俺はもう本当に自分が嫌になった。
どうせスイッチが押せないんだったら、ミサイルの準備なんてしなけりゃよかったんだ。
馬鹿馬鹿しい。
でも、同じ失敗をしても皆は取り乱すな。
冷静になれ。
認めたくなくても、自分の間違いなんだ、どっかのアホの所為だとしても、そのアホのことも考えておかなければならなかったんだ。
俺はもう駄目だ。
俺が持っていたって、何の意味もないんだ。
※ 繰り返しになりますがミサイル云々は比喩です。
俺は自分に価値がないことがよく判って、好きな人のために生きられたらといつも思うんだけどそんな事さえできないんだ。
俺は偽物で、ほん塔は人間が嫌いなんだ。
俺は結局偽物でしかない。