私は受付で年間パスポートを提示する。
主を失ったロボットたちは
、けれど最初からいずれそうなるということを予期していました、だから平気ですよ
といったふうに
人間の続きをやっていた。
私たちのような生き残りは、ロボットたちのおかげで助かっている。
彼らがいつか反旗を翻したら、なんて考えるけれど、
考えるまでもなく、ロボットたちが圧倒的に優位にある。
私たちは、多分絶滅危惧種みたいなもので、保護されているのかもしれないと考える。
年間パスポートの期限はとっくの昔に切れていた。
ロボットは流れるように、期限を書き換えてくれた。
「サービスです」
なんて言って、優しく笑って見せる。
「どうもありがとう」
私よりもよほど、人間だと、そう思う。
私は正しく笑えているのか、その自信はなかった。
+
あの子はカミナリイカを興味深そうに見つめていた。
彼(あるいは彼女)はカミナリイカというんだ、なんて言いそうになったけれど
書いてあるのだから、言われなくても判るだろう。
その後、ポルカドット・スティングレイをまた、興味深そうに見つめていた。
特に説明できることもないので、一緒に見ていた。