どうして総理は君に栄誉賞を与えないんだろうか
彼は不思議そうに首を傾げた
僕はそれに、それは人は汚いものなんて見たくないからだと答えた
でもそれは不公平ではないか
待て、君は基準を知っているのか
ああ、知っているさ
君が広く国民に敬愛されていないこともね
だが、君ほどこの世界の負を一身に背負っているものは
けれど知らない
君がいるからこの世界は維持できているというのに
はあ、と彼はため息をついた
もういいよ、敬愛が基準だとするならば
汚いものが選ばれることはない
それで終わりだし
僕は、そんな賞に微塵も価値を感じない
これは嘘だった
けれど
君ならそういうと思ったよ、さすがだ
そう言って笑った
僕は少し疲れた、そう思って少し泣いた
総括してしまえば、この世界はなにもかもが平等ではない
ただ、それだけの話だ