今日は会館で待ち合わせをした
そして当然のごとくすっぽかされた
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間抜けな顔で待ちぼうけている途中に
奇跡が起きた
家族連れの幼い女の子が僕に元気よく挨拶をしてくれたのだ
なるほど 天使のようだと思った
なんて無邪気で無垢なのだろうか
大人になることは濁り、劣化していくということ極めて近い
であれば、幼い夢見る少女は美しくて当然なのだ
僕のような醜く愚かしい存在にも微笑みかけてくれるとは
なんたる聖人
愛ではない、哀れみではない、優しとも違う
ただ純粋という言葉が相応しい
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でもそんな幸せもすぐに薄れてしまうことを知っている
彼女に救われてしばらくして
町ゆく人々に怨恨を抱いた
俺はどこまでも救われぬ
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天使は堕天し
人は堕落する
愛は永遠ではない
人は死ぬ
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愛が対象を独り占めしたいという気持ちを含むのならば
この気持ちは愛ではない
ずっとほしいと思っていて
でも、手に入れた瞬間に全くの無価値になり下がるものをいくつも見てきた
これも多分そうだ
わけ隔てなく差別ないからこそ、憧れた
愛は差別を含む
彼女は幸せになるべきだ
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ただ感謝を述べ祈る
