潰れたというのは少し違うだろうか。
閉店したというべきだろうか。
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空は陰鬱な曇りで、でも僕はそれが心地よかったのかもしれない。
雲が温い空気を地表に留めていてそこから動けない僕は、存分に鬱屈することができて。
まるで自分の精神が天気そのものようだなんて、
そんなことでしか世界との一体感を感じられない俺をきっとあなたは見向きもしないだろう。
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500円使った。
そして得られたものは教訓だけだった。
まあゲームセンターというのは大体、そんなものだよね。
これは悪質店だとかそう言うことを言っているわけではなくて、
自分にとってゲームセンターはそういうものなのだ。昔から。
閉店間際、店の写真を撮った。外観の。
意識は朦朧としていた。
自分以外にも3人くらい同じ行動をとっていた。
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閉店というのは一種の死であって、惜しまれていくのは
惜しまれるのなら、それはあってよかったということだ。
俺とは違う。