以前から言われてきたので
期待に応えようと思う
いまさら遅いと君は言うかもしれないが
その不義理を果たす意味でもきちんと書こうと思う
(思ってはいる、きちんとしてなかったらそれは私の力量の問題だ)
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応援歌練習会という物を知っているだろうか
大体どこの高校でもあるのかもしれないし
僕の地方だけなのか正直よく分からない
端的に言ってしまえば、時代遅れな行事に思える
朝6時くらいに学校に行くと
なにやら大きい声で叫んでいる上級生が見える
どうやらまあ、なんか新入生に名前を言わせているということが判る
でまあ、上級生の前に行って名前を言うわけだが
声が小さいと言われる
もう一度言う
声が小さいと言われる
上手く言えなかった
はっきりしゃべれと言われる
それで何回かやったら、ヨシと言われて
体育館にならばされて
応援歌の練習をする
歌詞を覚えていなかったり
声が小さかったりすると怒られる
ひどいと?
見せしめか
周りをぐるっと取り囲まれて
色々やられる
ちょっとやりすぎじゃない?
とまあ、なんとなく皆あーはいはい、そういうのね
と判るだろう
そういうのはその時だけ我慢すればいい、と思われるだろう
おとなしい子はこれで泣いてしまう人もいるのだとか
なんか可哀想だなとは思う
いじめじゃん、と思わなくもない
でもまあ涙腺緩いひとって居るから(自分のような(笑))
応援歌練習会がどんなものか
皆、なんとなく知っているが
ことさら細かく説明されることはない
驚かせようと思っているのか、なんなのか
今どきのモンスターペアレンツは
こういうのに抗議するんだろうか
うちの子が恫喝されて学校いけなくなった
どうしてくれるんだ
こう言われたら、学校側は何と返すんだろうか
これは〇〇高魂を伝えるための行事で…
魂ってなんぞや
それと恫喝、大声を出させること
一人を大勢で取り囲んで虐める
(これって、よく考えたらクズじゃん、そんな奴らから教わる魂って何?
笑わせんな)
生徒は皆、これ何のためにするんですか?とは聞かない
ていうか書いてある
魂を伝えるため
それが目的だとして
手段はこれなのだ
あってるか
論理的だろうか
論理的であるはずとして考えよう
(だってまあ、たくさんの教師たちがいるわけで
まさか、伝統だからしゃーないか
そういうもん、なんていう風に思っている人はいないだろう
そういう人は僕としては教師をやめた方がいいと思うけれど
思うだけだ)
そうすると
手段 :しごき
伝える物:魂
となる、しごきで伝わるものって何だろう
この社会の理不尽さ
上下関係の厳しさ
長い物には巻かれろ
今だけ我慢してればいい、どうせこれが終われば
みたいな要領の良さ、だろうか
辛いことに負けない強さ、は、あっているようなあってないような
でも実際負けているとも言える、
我慢しているだけ、おかしいと思ってもまあ、我慢我慢
実際社会で生きていく上では重要かもしれないけど
おかしいと思ったことをおかしいということは封殺されている
その環境はおかしいと思う
それだけの言葉や人数でもって
相手を傷つけ
ひどい場合は人格を否定するのなら
やり返される覚悟をもって行われるべきだと思う
声が小さいと言われたなら負けずに
お前の方が声が小さいだろ、ふざけんな
と言われる覚悟を持って行っているだろうか
相手に反撃する権利を与えているか
相手を下に見ていないか
抵抗できない相手をなぶって喜んでいるのならば
クラスメイトが上級生に集団でいじめられているなら
守らなければならない
ふざけんな、それが上級生のやることか
たしかに歌詞を間違えたかもしれない
やるなら正々堂々と指導すればいい
お前らは一人じゃ何もできないクズだ
恥を知れ恥を
教師にもいってやらなければならない
あんたたちはおかしいと
ニヤニヤしてんじゃねーぞ
恥を知れ恥を
俺はお前の汚いにやけ面を一生忘れない
とか、は行き過ぎだろうか
ある教師は自分の時はもっと酷かったと自慢げに言っていた
何で自慢げなんだろうか?
だからどうした
もうその学校は終わっている
それが大切な伝統だと言っているのなら
もう駄目だ
伝統を大切にすることは大切だが
その伝統が間違っていると気付けたなら
また、それを廃止する権利をも持っていなければならない
伝統なんでこの通りやります
あー、反撃できないやつらをいじめるのって楽しーなー
あ、やってるやってる、自分らも昔は大変だったなー
それは違う、と思う
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でも僕にはこんなこと言う権利はあっても
(実際高校ではその権利はなかったけれど)
資格はないのかもしれない
僕がまさにそれだったからだ
びくびくしながら過ごして
そう言うもんだと思って
関わらないようにした
せめてもの抵抗と言えば
その高校には目安箱のようなものがあって
暇があれば、○○魂とは具体的に何ですか?
という質問を入れ続けたことだ
いや、話を大きくした
本当は数回しか入れていない
解答が張り出されることは一度もなかった
落胆すると同時に安心もした
もう誰一人この学校には魂の何たるかを知る者はいないのだと
だが張り出されない、ということが雄弁な回答だったのかもしれない
言葉にできないものだ、
あるいは
そんなものはないよ、と
あの生徒会長は、そう言いたかったのかもしれない
いや、それならそれで
ちゃんと言ってほしい
多分、僕らが入学したころにはもう魂なんてなくなっていたのだ
ただ型だけが残っていた
そう考えなければ
僕が応援歌練習会に疑問を抱くことはないはずだから
応援歌練習会を経て
うおお魂ってそういうことか、と感激していないということは
魂なんてもうなくなっていたか
もしくは弱い者いじめをするのが魂だよ
ということかもしれない
もしかするとあの生徒会長は
そう書こうとして流石にまずいかな、と思って黙殺したのかもしれない
結局魂は何かをまとめると
①弱い者いじめ
②もうない、かつてはあった
③理不尽に耐える忍耐力(反撃は許されない)
④大きな声で歌詞を暗記して歌を歌うこと
この辺だろうか
と一般論のように書いたけれど
自分の学校がいじめ色が濃かっただけかもしれない
もうかなり前の話だし
今は柔らかくなっているのかもしれない
だからあなたの学校の応援歌練習会を否定する気はありませんが
もし自分が経験した応援歌練習会のポイントに
当てはまるところがあるのなら
一度、はたしてこれで魂は伝わっているのか、
そもそも魂って何?、と考えて見られるといいかもしれません