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かつてあったはずのなにか

皆様に幸多き事、お祈りいたします ※ わけあって画像の多くを消しました。意味が通らない箇所があるかもしれません。申し訳ありません。 文章雑な所がありますので、斜め読みで大丈夫です。 記事が表示されない場合は、削除がまだ反映されていないのだと思います。大変申し訳ありません。

ひっくり返っていた虫

今朝、アパートの廊下でひっくり返ってジタバタしている虫を見かけた。
あずき色をしたカナブンのような虫だ。正式な名前は判らない。 
                       ――正式な名前、人間のつけた正式な名前ーー
特に何もせず、出勤した。

□□

夜、帰ってきて廊下の先にクワガタがいることに気が付いた。

――クワガタだ。

そう思った。

それから、足元に今朝の虫がまだジタバタしていることに気が付く。

――彼(あるいは彼女)はずっとジタバタしていたのだろうか?

私は集合ポストに入っていた、役に立たないハガキを抜き出してそれですくい上げるようにして、彼の天地を戻してやった。

もしかしたら、ありがとう、といっていたかもしれないけれど、私には判らなかった。彼だって本当のところ、知ったことじゃないだろう。人間(偽物)の偽善に付き合わされてうんざりしたかもしれなかった。

そして私たちは判れた。それ以上特にすることもなければ、かわす言葉もない。

――はっきり言って、天地が戻ってしまえば大体の虫は私にとって脅威となる。さっさと逃げるに限る。

□□

――なあ、そいつは助けて欲しかったのかい。

――でも、ジタバタしていたんだ。同じ個体だとすれば、朝からずっと。

――似ていると思ったかい? 自分のようだと思ったかい? でもお前は誰も助けてくれないね。

――僕はすぐ諦めてもう動かなくなるだろう。そして動かないという行為によって、体はゆっくりと死んでいくんだと思う。だから、僕は彼とは違う。

俺はもう死んでいるだろうか。
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