ひどく矛盾しているように思えた。
彼と別れなければならない理由はあるにはある、でもそれが果たしてこの、
愛情と呼べるのかは分からない、けれど彼と離れたくないと思う感情とはかりにかけて、
その結果、別れを選ばなければならない
別れを選ぶ、そこに正当性があるのか、判らない。
あるいは正答性、だろうか。
(結局のところ、私たちは互いに消耗品でしかないから)
(だから、まあ、私が擦り切れて消えてしまうまで
存在がなくなってしまうまで、あなたが一緒にいてくれてもいいけれど
それを看取るというのかしら)
(でも、それだとあなたは、きっと消耗するでしょうね)
それはわからないことだ。けれど、いってすぐに偽善だと気づいた。
自分が弱いことは自分が一番よく知っている。
自分が醜いということは、誰よりも知っている。
だからそれは消耗するだろうけれど、だからつまり……答えを言わせてはいけない。
自分で言わないといけない。
お互い、正常な状態で別れることができて、よかった。
(そう、そういうこと)
お互い、正常に機能していた時の記憶だけを持って、離れてからはそれをたまに思い出して生きていこう。
綺麗な思い出だけを持っていたら、僕たちは最後まで辿り着くことができるだろうか。