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かつてあったはずのなにか

皆様に幸多き事、お祈りいたします ※ わけあって画像の多くを消しました。意味が通らない箇所があるかもしれません。申し訳ありません。 文章雑な所がありますので、斜め読みで大丈夫です。 記事が表示されない場合は、削除がまだ反映されていないのだと思います。大変申し訳ありません。

太陽の星座

男が入浴をしているとき、たまに猫が入ってくることがあります。

といっても湯船につかるわけではなくて、へりに座って男を見ているだけです。
よく言われるのは猫は人間がおぼれないか心配で見に来てくれるというものです。とても優しいですね。

風呂上り、男はいつも外に出て星空を眺めていました。

このあたりは街灯も家の明かりも少ないので、星の光や月がよく見えます。

男は玄関先の階段に座ると、猫はここぞとばかりに、その膝の上に飛び乗って甘えました。

男と猫は一緒に星空を見上げました。

スターゲイズ。



あっ、と猫は思いました。

赤い星が消えてしまったのです。男は心配そうにこちらをむいた猫の頭を、優しくなでて言いました。

「ベテルギウスは消えてしまったわけじゃないよ、ただ隠れてしまって、今は見えないだけ」

猫は少し安心しました。

(ねぇ、あなたの星座はどれ?)

そう猫に聞かれた気がしたので、男は少し考えてから

「じゃあ、あれにしようかな」

そう言って月を指さしました。

(月があなたの星座。私の星座はどれ?)

「そうだな、君は優しい猫で日向ぼっこが好きだから、太陽にしようかな」

(太陽が私の星座!)



猫は太陽の温かさが好きだったのでとても喜びました。(でも夏の日差しは苦手です)

しばらく喜んで、一緒に星を眺めていましたが、ふと気づきました。

(私が太陽であなたが月なら、それでは一緒にいられないじゃない)

猫は悲しさ半分、怒り半分といった様子でした。男は悩んで、

「じゃあ、僕も太陽に混ぜてもらおうかな」

(2人の星座)猫はそれを聞くと安心して眠くなってしまいました。


 2人だけの星座。それは太陽に決まりました。




そばで2人の話を聞いていたおじさんは、星座の定義がよくわからなくなってきました。

でも2人が幸せそうなので、よしとしました。
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